海外FXでは自動売買が盛んで、自動売買に特化したFX業者も存在します。
この記事では、海外FXで自動売買を始める方法についてや、自動売買に適したおすすめ業者を4社紹介します。また、記事の最後ではおすすめのEAやVPSについても紹介しているので、これからFXの自動売買に取り組もうと考えている人はぜひ参考にして下さい。
- 海外FXで自動売買を始めたいけど、具体的な手順がわからない人
- 自動売買に適したFX業者を探している人
- しっかり利益が見込めるおすすめのEAを知りたい人
海外FXで自動売買を始める方法
海外FXで自動売買を始める方法はいくつかあります。ここではよく使われる3つの方法について解説します。
MT4・MT5へEAを導入する
最もメジャーな方法は、MetaTrader(MT4・MT5)へEA(エキスパートアドバイザー)というプログラムを導入して、自動売買をする方法です。
パソコン版のMetaTraderではEAを動作させることができ、初期設定さえ済ませてしまえばエントリーから利確・損切りまで、EAがすべて自動で行ってくれます。
EAは「MQL」というプログラム言語によって作られていて、自分でEAを作ることもできますし、他人が作ったEAを導入することも可能です。EAの自作は専門知識とそれなりに時間を要されるため、多くのトレーダーは他人が作ったEAを購入して、自身のMetaTraderへ組み込んで使っています。
実際に安定した収益を得られるEAはほんの一握りで、「いかに勝てるEAを見つけるか」で勝敗が決まると言っても過言ではありません。
本当に勝てるEAを見つけるには、バックテスト(過去相場での結果)とあわせてフォワードテスト(将来の値動きでの結果)にも注視しましょう。フォワードテストを公開していないEAは購入するに値しません。
例えば、2016年に開発されたEAが、2006年から10年間のバックテストで好調な結果を残していたとしても、2016年から現在に至るまでのフォワードテストで成績を維持できていなければ、実際には稼げないEAということがわかります。
- MetaTraderに導入するだけで簡単
- 世界中の開発者によって膨大な数のEAが開発されている=選択肢が多い
- 自分でEAを作ることもできる
- MetaTraderでバックテストができる
- MetaTraderを常に起動させておく必要がある(VPSの契約が必要)
- 勝てるEAを探すのが大変
- バックテストは右肩上がりでも、フォワード(実際のトレード)では散々な結果になることも
- EAの購入に数万円かかる
- MT4とMT5はEAに互換性がない
業者が提供するコピートレードを使う
コピートレードとは、他人のトレードをそのまま自分の口座でコピーする方法です。
例えば、コピー元のトレーダーがUSDJPYの買いポジションを持ったら、即座に自分の口座でもUSDJPYの買いエントリーが行われます。利益確定や損切りも同様で、コピー元のトレーダーがポジションを閉じると、自分の口座でもポジションが決済されます。
日本国内では、コピートレードは投資の助言・代理にあたるため、金融庁によって厳しく規制されています。
しかし、海外ではコピートレードのサービスを提供しているFX業者があり、業者を介して簡単にコピートレードを始められます。
EAの場合は、その多くが買い切り型か定期購入(サブスク)で、固定費がかかってしまいますが、コピートレードは原則として初期費用や月額費用はかかりません。そのため、もし利益が出なくても赤字になりません。
そのかわり、利益が出た場合は、コピー元のトレーダーや業者側へ利益の一部を支払う必要があるため、公開されている成績よりも実際の利益が見劣りすることがあります。例えば、手数料が10%のコピートレードで100万円の利益を得た場合は、100万円の10%=10万円が手数料として徴収され、残りの90万円が自身の手元に残ります。
- 優秀なトレーダーを見つければ、自分で何もしなくても安定した利益を得られる
- 海外FX業者のコピートレードサービスは、原則として初期費用・月額費用が無料で、利益が出なくても赤字にならない
- MetaTraderの導入が不要
- 長期で稼ぎ続けるトレーダーは少ない=見極めが大切
- 利益の一部が手数料として取られる
- 国内FXではコピートレードができないので、海外FX業者が必須
MQL5.comでシグナルをサブスク購入する
MetaTraderの開発元であるMetaQuotes社は、MQL5.comというフォーラムサイトを運営しており、ここでは世界中のトレーダーが自分のトレード・EAを「シグナル」として配信しています。
MQL5.comを通じてシグナルを購読(月額課金)することで、シグナルと同じ取引を自分のMetaTraderへ反映させることができ、EAと同じような感覚で自動売買ができます。
EAは数万円ほどの買い切り型が多いですが、シグナルは月3,000円〜5,000円ほどで利用できるので、EAよりも初期費用を抑えられるというメリットがあります。また、いつでも解約できることから、シグナルの成績を鑑みつつ柔軟なポートフォリオ構築が可能です。
また、一部のシグナルは、戦略をそのままEA化して販売されているので、気に入ったシグナルはEAとして購入してみるのも良いでしょう。
- 月数千円のサブスク型で気軽に始められる
- EAを導入するよりも手間がかからない
- MQL5.comのパフォーマンスチャートは誤魔化せないので、過去の成績が将来も続く可能性がある
- MetaTraderを常に起動させておく必要がある(VPSの契約が必要)
- 負けても月額料金がかかる
- MT4とMT5は互換性がない
自動売買におすすめな業者4選
ここからは、自動売買に適した海外FX業者を4社紹介します。
GEMFOREX – 無料でEAやミラトレを使える

GEMFOREXは、日本人にとても人気の高い海外FX業者で、あの大御所XMTradingに次ぐほどの人気があります。
200種類以上のEAが無料で使えるほか、ミラートレードにも対応していて、自動売買にはうってつけの業者です。
- 無料EA(ゲムトレード):無料EAをダウンロードしてMT4へ導入することで自動売買を行う
- ミラートレード:ストラテジーを選択するだけで自動売買が可能(MT4は不要)
GEMFOREXの無料EAは誰でも無条件で使えるわけではなく、口座残高によって月のダウンロード可能数が決まっていて、毎月の月末の残高によって翌月の区分が変わります。
無制限でEAをダウンロードするためには、30万円以上の残高を維持する必要があります。
区分 | 口座残高 | ダウンロード可能数 |
---|---|---|
ビギナーズ | 5万〜10万円 | 月1つのEAまで |
アドバンス | 10万〜20万円 | 月3つのEAまで |
プロフェッショナル | 20万〜30万円 | 月5つのEAまで |
マスターズ | 30万円以上 | 無制限 |
GEMFOREXでは無料のVPSサービスも提供しています。ただし、無料VPSを使うためには、口座残高50万円以上が必要となるため、ややハードルは高め。
口座タイプは「オールインワン口座」と「ロースプレッド口座」の2種類が用意されていますが、EAを使えるのはオールインワン口座のみで、ロースプレッド口座でのEA稼働は規約違反となるので注意しましょう。
HotForex – HFコピーで優秀なプロバイダーをフォロー

HotForexでは、「HFコピー」という独自のコピートレードサービスを提供していて、ストラテジープロバイダーをフォローすることで簡単に自動売買ができます。
ストラテジープロバイダーも我々と同じ一般投資家ですが、HotForexによるテストに合格しなくてはならないので、それなりに腕の良いトレーダーが集められているといって良いでしょう。また、テストは6ヶ月に1回行われ、成績が落ちるとストラテジープロバイダーから除籍させられるため、定期的なアップデートも行われています。
HFコピーは、利益が発生したときだけ手数料が引かれるシステムで、損をしたときには手数料は発生しません。手数料はストラテジープロバイダーによって異なりますが、利益に対しておよそ25%〜35%が取られます。
TradersTrust – 自社独自のコピートレード

TradersTrustでは、自社独自のコピートレード(ソーシャルトレード)サービスを提供していて、簡単にコピートレードを始めることができます。
発生した利益に対して30%の手数料が引かれますが、損をしたときには手数料は発生しません。
2021年1月24日現在、24名のトレーダーがコピートレードに登録していて、そのうち18名はプラスの成績となっています。トップトレーダーは日本人のNaohide K氏で、取引日数は521日で797.93%増(月利換算約13%)という非常に優れた実績。
2021年1月24日現在、24名のトレーダーがコピートレードに登録していて、そのうち18名はプラスの成績となっています。トップトレーダーは日本人のNaohide K氏で、取引日数は521日で797.93%増(月利換算約13%)という非常に優れた実績。
AXIORY – スプレッドも約定力も良好でEA運用に最適

AXIORYは、EAやコピートレードを提供しているわけではありませんが、スプレッドが低くて約定力が高いため、EAの運用に最適な業者となっています。
プラットフォームは、MT4・MT5・cTraderの3種類から選べます。
AXIORYでは「スタンダード口座」「ナノスプレッド口座」「ナノ口座」の3種類の取引口座を提供していますが、いずれも他社よりも比較的狭いスプレッドとなっており、とても良心的な設定です。
ナノスプレッド口座とテラ口座では、例えば、EURUSD(ユーロドル)とUSDJPY(ドル円)ペアなら、スプレッドが0.2〜0.3pipsと実に狭く、取引手数料の0.6pips相当を合算しても実質スプレッドは0.8〜0.9pipsほど。実質スプレッドが1pipsに満たない環境なら、何度も売り買いするスキャルピングEAとの相性も抜群です。
また、AXIORYのMetaTraderサーバーは東京に設置されているため、日本のVPSを使ったときの遅延を最小限に抑えられます。
スリッページ(滑り)もほとんど起こらず、全体の約60%の注文は全く滑らずに約定していて、約90%の注文は±0.3pipsの滑りで収まっています。
GogoJungleで買えるおすすめEA
日本最大のEA購入サイト「GogoJungle」では、数千ものEAが出品されていて、なかには数年もの間安定して収益を上げているEAもあります。
ここでは、GogoJungleで買えるおすすめのEAをいくつか紹介します。
Iam Clown FX

6年以上の長期運用で緩やかな右肩上がりを続けているEAで、巷では「隠れすぎた名作」との評されています。
2021年に入ってからは不調ですが、これまで1年単位でマイナスになったことがないため、今後の盛り返しに期待できます。
ロンドンは午前7時

早朝のロンドン時間で東京時間の高値安値を否定するという習性を狙ったEAです。
ロンドン市場(夏時間15時・冬時間16時)が始まってから、東京時間につけた高値・安値付近の逆にエントリーします。
KUNAI_USDJPY

日本時間の早朝に稼働するスキャルピング系のEAです。
業者によっては早朝のスプレッドが著しく開くことがあるため、なるべくスプレッドが狭くて安定している業者を選びましょう。
PEACE

典型的なナンピンEAですが、トレンドに応じてエントリー方向を変え、相場が大きく逆行したときはナンピン幅が広くなるため、安定して利益を上げられるように設計されています。
EAを動かすならVPSを契約しよう

EAで自動売買を行うには、MT4やMT5を常に起動させておく必要がありますが、自宅のパソコンを常に稼働させておくと様々なリスクにさらされます。
突然の停電でパソコンが止まってしまう可能性や、排熱性の悪いノートパソコンを常時稼働させると火災の原因となります。また、一般向けのパソコンはそもそも常時稼働を想定していないため、マシンの寿命が縮まる可能性も考えられます。
そこで重宝するのが「VPS」(バーチャルプライベートサーバー)。VPSとは、業者のサーバー内に自分だけのパソコン環境を用意して、自分のパソコンから遠隔操作できるサービスです。
常時稼働のVPSがあれば自宅のパソコンをつける必要がなくなり、365日24時間の常時稼働を想定した環境のもと、EAを安定して動かすことができるでしょう。
国内外問わずVPSはたくさんあり、性能や価格はピンキリですが、なかでもおすすめは「お名前.com デスクトップクラウド for MT4」の2.5GBプランです。
2.5GBのRAM(メモリ)、3コアのvCPU、120GBのSSDが使えて、OSはWindows Server 2019がインストール済み。稼働率は99.99%を誇り、トラブルが限りなくゼロに抑えられている安心感があります。
費用は月額たったの1,793円(税込み)で、初期費用はかからず、コストパフォーマンスにも大変優れています。
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