日本在住の個人が海外FXでたくさん稼ぐと、年間の所得に対して最大55%程度の税金がかかるため、せっかく稼いでも半分以上が税金で消えてしまいます。
しかし、日本で法人を作って海外FXの法人口座で取引すれば、最大でも37%程度の税率で抑えることができ、年間で1,000万円以上稼ぐ人は個人よりも法人のほうが税金が安くなります。
この記事では、法人口座を作れるおすすめの海外FX業者と、法人口座を持つメリット・デメリットをまとめました。
- 海外FXの個人口座で既に稼いでいて、これから法人成りを検討している人
- 使いやすい海外FXの法人口座を探している人
- 海外FXで法人口座を持つメリット・デメリットを知りたい人
法人口座を作れるおすすめ海外FX業者6選
法人口座を作れる海外FX業者はたくさんありますが、一定の信頼性があって取引条件の優れた業者を選ばないと、せっかく法人口座を作っても利益を出すことが難しくなります。
ここでは、法人口座を作れるおすすめの海外FX業者を6社紹介します。
それぞれの特徴を簡潔にまとめました。
1. AXIORY
AXIORYの基本情報
運営会社 | Axiory Global Limited (2007年設立) |
金融ライセンス | ベリーズ国際金融サービス委員会の金融ライセンス(番号:000122/15) |
資金の保全方法 | 完全信託保全 (保全先:カタールDoha Bank) |
取り扱い銘柄 | FX通貨ペア:61種類 貴金属CFD:4種類 エネルギーCFD:5種類 株式指数CFD:10種類 個別株CFD:226種類 個別株現物:122種類 ETF現物:69種類 |
口座タイプ | スタンダード口座 ナノ口座 テラ口座 マックス口座 アルファ口座 |
法人口座 | |
レバレッジ | 残高0~50万円:最大400倍(マックス口座は1,000倍) 残高50万~1,500万円:最大400倍 残高1,500万~2,900万円:最大300倍 残高2,900万~4,300万円:最大200倍 残高4,300万~7,400万円:最大100倍 残高7,400万円~:最大50倍 |
ロスカット水準 | 証拠金維持率20% |
追証 | |
ゼロカット | |
取引方式 | スタンダード口座:STP方式 ナノ口座:ECN方式 テラ口座:ECN方式 マックス口座:STP方式 |
スプレッド | スタンダード口座:狭い ナノ口座:極めて狭い テラ口座:極めて狭い アルファ口座:狭い |
取引手数料 | スタンダード口座:無し ナノ口座:$6 / 1lot テラ口座:$6 / 1lot アルファ口座:無し |
取引ツール | MetaTrader 5 MetaTrader 4 cTrader |
最低入金額 | $200 |
入金方法 出金方法 | 国内銀行送金 By Curfex※日本円のみ 海外銀行送金 クレジットカード デビットカード Eウォレット(STICPAY、PayRedeem、NETELLER、Skrill) 暗号通貨(BTC、BCH、ETH、XRP、PAX、GUSD、USDC、BUSD)※入金はBTCのみ |
ボーナス | |
日本語サポート |
海外FXで法人口座を作るなら、最もおすすめできるのはAXIORYです。
AXIORYは海外FX業者としては珍しく「全額信託保全」を導入しています。
万が一AXIORYが倒産してしまっても、第三者機構によって資金は100%顧客へ戻ってくる仕組みとなっており、運転資金へ流用されたり持ち逃げされる心配がありません。
日本国内のFX業者でも同じように完全信託保全を設けていることから、AXIORYは国内FXと同じくらいの信頼性があるといって良いでしょう。
また、入出金手段に関しても完璧。国内銀行送金での入出金のほか、カードやビットコインでの入出金にも対応しています。(STICPAYは法人非対応)
スプレッドは全体的にかなり狭くなっていて、ナノスプレッド口座やテラ口座ではUSDJPYやEURUSDを0.2〜0.3pipsで取引できます。
ただし、スプレッドとは別に1lotあたり$6の取引手数料がかかりますが、それでも実質スプレッドは0.8〜0.9pips程度です。
スプレッドは最大400倍と、海外FX業者にしては控えめな水準ではあるものの、それ以外のスペックは高いので、バランスの良い業者といえるでしょう。
銘柄数も豊富でFX通貨ペアは61種類。CFDは、貴金属、原油、株式指数のほかにも、米国や欧州の個別株も取引できるので、様々な商品を幅広くトレードできます。
AXIORYの法人口座は、法人口座専用の口座開設ページから申し込みが可能です。
2. Titan FX
Titan FXの基本情報
運営会社 | Titan FX Limited (2015年設立) |
金融ライセンス | バヌアツ金融サービス委員会(VFSC)の金融ライセンス(番号:40313) |
資金の保全方法 | 分別管理 |
取り扱い銘柄 | FX通貨ペア:60種類 貴金属:11種類 株式指数:21種類 米国個別株:100種類 エネルギー:5種類 仮想通貨:34種類 |
口座タイプ | Zeroスタンダード口座 Zeroブレード口座 Zeroマイクロ口座 |
法人口座 | |
レバレッジ | Zeroスタンダード口座・ブレード口座:500倍 |
ロスカット水準 | 証拠金維持率20% |
追証 | |
ゼロカット | |
取引方式 | Zeroスタンダード口座・マイクロ口座:STP方式 Zeroブレード口座:ECN方式 |
スプレッド | Zeroスタンダード口座・マイクロ口座:狭い Zeroブレード口座:極めて狭い |
取引手数料 | Zeroスタンダード口座・マイクロ口座:無し Zeroブレード口座:$7 / 1lot |
取引ツール | MetaTrader 4 MetaTrader 5 |
最低入金額 | カード、bitwallet:$1 (140円) 国内銀行送金:10万円 STICPAY、NETELLER、Skrill:$30 (4,800円) 仮想通貨:€53 (約7,600円) |
入金方法 出金方法 | 国内銀行送金 クレジットカード デビットカード Eウォレット(bitwallet、STICPAY、NETELLER、Skrill) 仮想通貨 |
ボーナス | |
日本語サポート |
Titan FXは、AXIORYよりも高い最大1,000倍のハイレバレッジで取引できる業者で、口座残高がどれほど増えても1,000倍が維持されます。(マイクロ口座以外は500倍)
取り扱い銘柄は、FXから各種CFD、仮想通貨まで多岐にわたります。株式指数はなんと21種類もラインナップされていて、そのすべてを最大500倍で取引可能。仮想通貨ペアも18種類取り扱っていて、こちらは最大20倍で取引できます。
口座タイプは、「Zeroスタンダード口座」「Zeroブレード口座」「Zeroマイクロ口座」の3種類。
そのうち、Zeroブレード口座は、往復$7の取引手数料がかかるもののスプレッドが極めて狭いので、スキャルピングに最適です。
入出金方法は、国内銀行送金のほか、カード、bitwallet、STICPAYなどに対応。
Titan FXの法人口座は、Titan FXの口座開設ページへアクセスし、「法人取引口座」を選ぶことで申し込みが可能です。
3. FXGT
FXGTの基本情報
運営会社 | 360 Degrees Markets Ltd (2019年設立) |
金融ライセンス | セーシェル金融庁の金融ライセンス(番号:SD019) |
資金の保全方法 | 分別管理 |
取り扱い銘柄 | FX通貨ペア:54種類 仮想通貨:47種類 仮想通貨シンセティック:10種類 貴金属:2種類 株式指数:9種類 個別株:53種類 原油:3種類 |
口座タイプ | スタンダード+口座 / Crypto Max口座 / ミニ口座 / PRO口座 / ECN口座 |
法人口座 | |
口座の基本通貨 | 法定通貨:JPY, USD, EUR 仮想通貨:BTC, ETH, XRP, ADA, USDT |
レバレッジ | FX:最大1,000倍 (エキゾチックペアは最大500倍) 仮想通貨:最大1,000倍 貴金属CFD:最大200倍 オイルCFD:最大100倍 株式指数CFD:最大100倍 個別株CFD:最大50倍 ※取引量に応じて最大レバレッジが制限 |
取引サイズ | スタンダード+口座:100,000通貨 Crypto Max口座:1通貨 ミニ口座:10,000通貨 PRO口座:100,000通貨 ECN口座:100,000通貨 |
取引ロット | スタンダード+口座:0.01〜100 ミニ口座:0.01〜200 PRO口座:0.01〜200 ECN口座:0.01〜200 |
ロスカット水準 | スタンダード+口座:証拠金維持率20% Crypto Max口座:証拠金維持率40% ミニ口座:証拠金維持率20% PRO口座:証拠金維持率20% ECN口座:証拠金維持率40% |
追証 | |
ゼロカット | |
取引方式 | NDD方式 |
スプレッド | スタンダード+口座:標準的 Crypto Max口座:標準的 ミニ口座:やや広い PRO口座:極めて狭い ECN口座:極めて狭い |
取引ツール | MetaTrader 5 |
最低入金額 | $5 (海外銀行送金のみ$100) |
入金方法 出金方法 | クレジットカード デビットカード 国内銀行送金 Eウォレット(bitwallet, STICPAY) 暗号通貨(BTC, ETH, XRP, ADA, USDT) 海外銀行送金 |
ボーナス | ※PRO口座、ECN口座は無し |
日本語サポート |
FXGTは、FXと仮想通貨を最大1,000倍のハイレバレッジで取引できる「ハイブリッド取引所」です。
仮想通貨を取り扱うFX業者はかなり増えてきましたが、FXと仮想通貨を最大1,000倍で取引できるのはFXGTしかなく、唯一無二の存在です。
FXを取引できるのは、市場が空いている月曜日〜金曜日の5日間で、土日は取引できません。
しかし、仮想通貨は平日休日問わず、24時間365日いつでも取引できることから、FXのみを取引するよりもトレードチャンスが増えます。
さらには、貴金属や株式指数などのCFD商品や、米国の代表的な個別株も取引できるので、ありとあらゆる商品を手広くトレードしたい人にはうってつけ。
ボーナスも大変充実していて、口座開設ボーナスや入金ボーナスなど、嬉しい特典がたくさん用意されています。(FXGTの最新ボーナス情報)
FXGTで法人口座を作るためには、まず個人名義の口座を作る必要があります。そして、個人口座を作った後に、カスタマーサポートへ「法人口座へ切り替えたい」との旨の問い合わせを行い、会社の書類を送ることで、法人口座を作ることができます。
まずは、FXGTの口座開設ページより、代表者名義もしくは取引担当者名義の個人口座を作りましょう。
4. iFOREX
iFOREXの基本情報
運営会社 | Formula Investment House Ltd. (1996年設立) |
金融ライセンス | 英領バージン諸島の金融サービス委員会の金融ライセンス(番号:SIBA/L/13/1060) |
資金の保全方法 | 分別管理 |
取り扱い銘柄 | FX通貨ペア:82種類 貴金属:7種類 株式指数:35種類 個別株:674種類 コモディティ:7種類 原油:6種類 仮想通貨:18種類 |
口座タイプ | 1種類のみ |
法人口座 | |
レバレッジ | FX:最大400倍(一部ペアは最大200倍) 貴金属:最大200倍 株式指数:最大200倍 仮想通貨:10倍 |
ロスカット水準 | 証拠金維持率0% (強制ロスカット無し) |
追証 | |
ゼロカット | |
取引方式 | OTC方式 (DD方式) |
スプレッド | 狭い |
取引ツール | FXnet Trader (独自プラットフォーム) |
最低入金額 | 1万円 |
入金方法 | クレジットカード デビットカード bitwallet 国内銀行送金 海外銀行送金 |
出金方法 | クレジットカード デビットカード bitwallet 海外銀行送金 |
ボーナス | |
日本語サポート |
iFOREXは、1996年から運営されている老舗中の老舗で、20年以上にわたってFXサービスを提供してきました。
iFOREX最大の強みは、取扱銘柄がとにかく豊富で、ありとあらゆる銘柄を一つの口座で銘柄を取引できることでしょう。
FX通貨ペアの種類はなんと82種類で、他にも株式指数や世界各国の個別株を600以上取り揃えています。
さらには、貴金属や農業コモディティ、オイル、そして仮想通貨まで取引できます。
最大レバレッジは400倍と控えめですが、どれほど口座残高が増えても400倍が維持され、仮に数百万円・数千万円を預けたとしてもハイレバトレードを続けられます。
また、ロスカットレベルは0%、つまり強制ロスカットそのものが存在しません。
口座残高が尽きるその時まで含み損ポジションを握り続けられるので、含み損を抱えても生き残れるチャンスが増えます。
また、ロスカットレベルは0%、つまり強制ロスカットそのものが存在しません。
口座残高が尽きるその時まで含み損ポジションを握り続けられるので、含み損を抱えても生き残れるチャンスが増えます。
iFOREXの法人口座は、通常の口座開設ページから申し込めません。
iFOREXのカスタマーサポート(cs-jp@iforex.com)へ法人口座を作りたいとの旨を伝えれば、開設にあたって必要な書類を教えてもらえるので、それらを印刷・スキャンして送りましょう。
5. BigBoss
BigBossの基本情報
運営会社 | Prime Point LLC |
金融ライセンス | セントビンセント・グレナディーン金融庁の金融ライセンス(番号:380 LLC 2020) |
資金の保全方法 | 分別管理 |
取り扱い銘柄 | FX通貨ペア:43種類 貴金属:2種類 株式指数:6種類 原油:2種類 仮想通貨:30種類 |
口座タイプ | スタンダード口座 プロスプレッド口座 CRYPTOS口座 |
法人口座 | |
レバレッジ | スタンダード口座:最大1,111倍 プロスプレッド口座:最大1,111倍 CRYPTOS口座:現物取引 |
ロスカット水準 | 証拠金維持率20%以下 |
追証 | |
ゼロカット | ※ゼロカット執行には条件あり |
取引方式 | スタンダード口座:STP プロスプレッド口座:ECN CRYPTOS口座:CEX |
スプレッド | スタンダード口座:やや広い マイクロ口座:やや広い プロスプレッド口座:狭い |
取引手数料 | スタンダード口座:無し プロスプレッド口座:$9 / 1lot CRYPTOS口座:0.4% |
取引ツール | MetaTrader 4 MetaTrader 5 |
最低入金額 | $1 (100円) |
入金方法 | クレジットカード デビットカード 国内銀行送金 bitwallet BXONE 仮想通貨(BTC, ETH, XRP, EXC, NEO, OMG, QASH, RSVC) 海外銀行送金 |
出金方法 | クレジットカード デビットカード 国内銀行送金 海外銀行送金 bitwallet BXONE |
ボーナス | BigBossポイントプログラム |
日本語サポート |
BigBossは、日本で特に人気のある海外FX業者で、人気の理由の一つとして日本語サポートの質が挙げられます。
日本語対応を謳う業者のなかでも特に日本語サポートがしっかりしており、国内FXと見間違えるほどしっかりした日本語のWebサイトが用意されていて、平日の10:00〜18:00なら日本語ライブチャットでの問い合わせが可能です。
取り扱い銘柄は、FX通貨ペアが33種類と最小限のCFD銘柄のみで、他の海外FX業者に比べるとかなり少なめ。なので、様々な銘柄を幅広くトレードしたい人には向いていません。
スプレッドはそこまで狭くありませんが、1lot(10万通貨)につき$4が「取引ボーナス」としてキャッシュバックされるため、表示上のスプレッドよりも0.4pipsほど狭いスプレッドで取引できます。
獲得した取引ボーナスをそのまま出金することはできませんが、取引証拠金として再利用できるので、取引すればするほど証拠金が増えて大きなロットで取引できるようになります。
レバレッジは最大1,111倍で、XMTradingやGEMFOREXよりも一歩上。
BigBossの法人口座は、BigBossの口座開設ページへアクセスし、【法人口座開設はこちら】ボタンから申し込みが可能です。
6. LAND-FX
LAND-FXの基本情報
運営会社 | Land Prime Ltd. (2014年設立) |
金融ライセンス | セントビンセント・グレナディーン金融庁の金融ライセンス(番号:23627 IBC 2016) |
資金の保全方法 | 分別管理 (管理先銀行:JPモルガン・チェース銀行) |
取り扱い銘柄 | FX通貨ペア:67種類 貴金属:8種類 株式指数:11種類 原油:3種類 |
口座タイプ | Live口座(スタンダード口座) ECN口座 |
法人口座 | |
レバレッジ | 最大500倍 ※有効証拠金と保有lot数に応じたレバレッジ制限あり |
ロスカット水準 | 証拠金維持率30% |
追証 | |
ゼロカット | |
取引方式 | Live口座:STP方式 ECN口座:ECN方式 ※DD方式の疑惑あり |
スプレッド | Live口座:狭い ECN口座:極めて狭い |
取引手数料 | Live口座:無し ECN口座:$7 / 1lot |
取引ツール | MetaTrader 4 MetaTrader 5 |
最低入金額 | Live口座:$300 (3万円) ECN口座:$2,000 (20万円) |
入金方法 | 国内銀行送金 クレジットカード・デビットカード STICPAY ビットコイン |
出金方法 | 海外銀行送金 クレジットカード・デビットカード (カード入金額まで) STICPAY |
ボーナス | |
日本語サポート |
LAND-FXは、スプレッドの狭さと約定力の高さに定評のある業者で、スタンダード口座にあたる「Live口座」でも1.0pips前後の狭いスプレッドで取引できます。
LAND-FXおそらくDD方式を採用しているとみられ、NDD方式の業者に比べると透明性の低さが懸念されてますが、その反面、約定力が高いというメリットがあります。
平均約定速度はなんと0.035秒で、注文の執行率も99.22%という高水準。
ただし、極端な短期売買(スキャルピング)は規約違反となっているため、デイトレードに留めておくことをおすすめします。
LAND-FXは2014年に設立された会社で、まだ運営歴はそれほど長くありませんが、親会社にあたるLand-FX UK Ltd.は、イギリスの金融行為監督機構(FCA)のライセンスを取得しています。
英FCAは非常に権威性の高い機関ですので、数ある海外FX業者のなかでもLAND-FXはそれなりに信頼できる業者といえそうです。
LAND-FXの法人口座は、LAND-FXの口座開設ページへアクセスし、「法人」を選ぶことで申し込みが可能です。
法人口座を作れない海外FX業者
この記事でピックアップした業者のほかにも、法人口座を作れる海外FX業者はたくさん存在します。
しかし、法人口座を作れない海外FX業者が、管理人が関知している範囲でたった1社だけあります。それはXM (XMTrading)です。
XMはかつて法人口座の受付を行っていましたが、今は個人口座しか作れなくなっています。
ネット上では、日本国外の海外法人であれば口座開設できるとの情報もありますが、XMに問い合わせたところ現在はどの国においても法人口座を受け付けていないとのこと。
法人口座・法人化のメリット
一定以上を稼ぐなら個人所得税よりも法人税のほうが安い
まずは、個人の税率と法人の税率を比べてみましょう。
個人の場合、所得税として所得に対する5%〜45%がかかり、それに加え住民税10%や事業税も収めなくてはなりません。すべての税金を合わせると15%〜55%になります。
一方、法人(資本金1億円以下)の法人税は、年800万円までの所得に対しては15%の軽減税率が適用され、年800万円以上の所得に対しては23.4%の税率が適用されます。
加え、法人税に対する4.4%が地方法人税、法人税に対する12.9%が住民税、所得金額に対する9.6%が事業税となり、すべてを合わせると税率は最大で約37%になります。
所得が少ないうちは個人の所得税のほうが安くなりますが、所得が年1,000万円くらいを超えてくると、法人税のほうが安くなるので、年1,000万円をおおよその目安にすると良いでしょう。
年間所得 | 個人の税金 | 法人の税金 |
---|---|---|
100万円 | 0円 | 約29万円 |
500万円 | 約75万円 | 約121万円 |
1,000万円 | 約233万円 | 約271万円 |
2,000万円 | 約674万円 | 約647万円 |
3,000万円 | 約1,207万円 | 約1,024万円 |
5,000万円 | 約2,271万円 | 約1,776万円 |
1億円 | 約5,069万円 | 約3,658万円 |
個人よりも経費計上の幅が広がる
個人でFXの所得を申告する際は、FX取引を行うために必要と認められる範囲でしか経費を計上できません。
経費の幅が狭いと利益を圧縮しづらくなるため、節税には限界があります。
しかし、法人であれば、法人から個人へ支払った「役員報酬」を全額経費にできますし、代表者の家族へ支払った給料等も全額経費になります。
また、家賃や光熱費、通信費、交通費、自動車の購入費など、会社の運営に必要となる経費ならすべて計上できるため、個人よりも節税の幅が広がり、結果として節税につながります。
赤字を最長9年繰り越せる
国内FXの個人口座であれば、最長3年間まで赤字の繰越が可能です。
例えば今年の所得が500万円だったとしても、2年前が△200万円、1年前が△100万円だった場合は、300万円に対して課税されます。
しかし海外FXの個人口座では赤字を繰り越せません。
仮に前年に△500万円、今年500万円だとすると、国内FXでは赤字と黒字を相殺して所得0円になりますが、海外FXだと今年の500万円に対してしっかり税金が取られます。
法人の場合はというと、国内FX・海外FX関係なく、赤字を最長9年まで繰り越せます。
極論をいえば、今期の所得が1,000万円だったとしても、過去9年間で1,000万円の赤字を出していれば、今期の所得とこれまでの赤字を相殺して、所得はゼロとみなされます。
他の事業と損益通算できる
海外FXの個人口座で儲けた場合、「雑所得」という区分になり、給与所得、事業所得、不動産所得など他の所得との損益通算ができません。
例えば、海外FXで年1,000万円稼いでも本業で年700万円の赤字を出した場合、実質的な所得は年300万円となるわけですが、雑所得と事業所得の損益通算はできないので、1,000万円に対してしっかり税金が取られます。
しかし、法人の場合はFXとその他の事業で損益通算ができます。
例えば、小売店が本業で年500万円の赤字、FXで年500万円の黒字を出した場合、損益通算によって所得は年0円となります。
法人口座・法人化のデメリット
設立時に登記費用などがかかる
資本金は1円からでも会社を作ることができますが、設立時に登録免許税を払ったり実印を作る必要があるため、数万円の費用がかかってしまいます。
費用が安い合同会社でも最安で6万円、株式会社だと20万円以上かかってしまうため、デメリットの一つに挙げられるのではないでしょうか。
株式会社 | 合同会社 | |
---|---|---|
会社の実印 | 数千円〜数万円 | 数千円〜数万円 |
定款の収入印紙代 | 電子定款:0円 紙の定款:4万円 | 電子定款:0円 紙の定款:4万円 |
定款認証手数料 | 5万円 | 0円 |
定款の謄本代 | 2,000円ほど | 0円 |
登録免許税 | 15万円 or 資本金の0.7% どちらか高いほう | 6万円 or 資本金の0.7% どちらか高いほう |
合計 | 約20万円〜 | 約6万円〜 |
最低でも年数万円の費用がかかる
法人を維持するためにも、年間で数万円の費用がかかります。
必ず発生するのが法人住民税(均等割)で年間7万円、資本金が1,000万円以上の場合は18万円かかります。これは所得がマイナスでも必ず発生します。
また、自分で決算や確定申告を行う場合は不要ですが、それらを税理士や会計事務所へ任せるなら数万円の報酬を支払う必要があります。
自由に利益を個人へ引き出せない
法人から個人(代表者)へ資金を移すとき、基本的には「役員報酬」という名目で損金(経費)扱いとなりますが、役員報酬を変えられるのは事業年度開始日から3ヶ月以内とされています。
例えば、4月1日が事業年度の開始日である場合は、6月30日までに変更手続きを行わなくてはなりません。
変更手続きを行わずに本来よりも高額な役員報酬を支払うことはできますが、超えた分については損金不算入、つまり経費になりません。
例えば、本来は毎月20万円の役員報酬のところ50万円支払った場合、30万円は損金不算入となります。
「今月は儲かったから役員報酬をたくさん出そう」といった行為がまかり通ってしまうと、法人税を好き勝手に節約されてしまうため、国税庁はそれを良しとしません。
含み益に対しても税金がかかる
個人の場合は、含み益のポジションを利益確定した際に、初めて「収入」としてみなされます。含み益に対して課税されることはありません。
しかし法人の場合は、ポジションを確定していなくても、含み益が出ていれば利益として計上しなくてはなりません。
決算のタイミングで、既に確定している損益のみならず、含み損益も計上しなくてはならないので注意しましょう。
銀行の法人口座が審査落ちとなる可能性
海外FXの法人口座は、法人さえ持っていれば比較的簡単に開くことができます。
履歴事項全部証明書や代表者の身分証明書、現住所が確認できる書類などを提出すれば、たいていどの業者でも法人口座を持てます。
しかし、日本の銀行で法人口座を作る場合、会社のパンフレットや事業計画書など、事業実態がわかる書類を求められます。
また、FX取引のみを主体した新規法人の場合は、銀行側に口座開設を断られるケースが多いです。
銀行の審査の段階では、FXだけではなく他の事業も定款に含め、FXはあくまでも「副業」程度に留めておくことをおすすめします。
資本金の額についても、数十万程度だと審査落ちしやすいと言われているので、100万円以上は用意しておくと良いかもしれません。(明確な基準はなく、10万円で審査に通ることも、500万円で審査落ちすることもあります。)
弊社(合同会社WOZ)の場合は、あくまでも主体を「Webサイトの運営」としているため、いくつかのネット銀行でスムーズに口座開設できました。
それから、メガバンク(三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行など)は審査が厳しく、ネット銀行(GMOあおぞらネット銀行、楽天銀行、住信SBI銀行など)は比較的審査に通りやすいと言われています。
そもそも銀行口座を持てなければ、海外FXの法人口座へ入金できないため、法人を立ち上げたら真っ先に銀行口座を確保しましょう。
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